コンサル女子 Hiroko のシリコンバレー目うろこ記

生粋東京っ子が実体験から思考した、"シリコンバレーと東京の差/GAP"を紹介します

SV的コミュニケーション(2)

先月「すごくシリコンバレー的だなぁ!」と感動した、とてもイケてる「ネットワーキング支援サービス」を体験したので紹介します! 


ネットワーキング支援サービス「Brella」
ここシリコンバレー(SV)では、初対面の「出会い」を努力して計画・実行する人が大勢います(注)。
注:是非、先の投稿を合わせてご覧ください!
 
彼らは当然、より効率的・効果的に「出合い」たいもの。
でも、敢えて異分野のイベントを選ぶことも多く、すると周りは知らない人ばかり。どんな関心・経歴を持つ人が集まるのか、実際は行って話してみないと分かりません。また、目当ての人が居るのは分かっても、何百人の中から探せなかったり、多くの人に囲まれて声がけできなかったり。
 
そんな、”当日出たとこ勝負”なネットワーキングは、実はROIを上げ難いのです。
 
その課題を解決するのが、ネットワーキング支援サービス「Brellaです!
#私はBrellaの営業マンではありません(笑)

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※ BrellaのHPより
 
簡単にいうと、イベント参加者の
 ・名前
 ・顔写真
 ・140文字内の自己紹介文
 ・Linkedinのリンク
が事前に分かり、
更に、その中から「話したい!」と思う人と15分の面談を日時調整できてしまう!
というネットワーキング・アプリケーション・サービスです。

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※ BrellaのHPより

 
参考)詳細な流れ:
・Brellaのイベント・サイトにサイン・イン
・自分のプロファイル(上記)を登録
・Give(このテーマ話せます)とTake(このテーマ聞きたい)をリストから選択・登録
・自動マッチング機能で「(関心等が近い)オススメな人」リストが作成される
・必要に応じて Linkedinを参照し、相手のバックグラウンドを確認
・会いたい!と思う人に、面談リクエストを申請(or 面談リクエストが届く)
・相手とチャットしつつ、面談リクエスト(日時とセット)を受ける・受けないを確定
・成立した面談には、当日の面談場所(テーブルNo.)が自動的に割り当てられる
・面談直前まで、相手とはサイトのチャット機能で連絡しあえる
・当日、時間になったら指定されたテーブルへ行き、相手と出合う
 

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BrellaのHPにある動画↓でイメージを確認頂けます。

 
私が体験したイベントでの活用例:
イベント「Women in Tech Festival 2017での実例を紹介します
 
まず概要から。
同イベントのネットワーキング時間は、スケジュール全体の37%(300分)でした 
・初日 3回(50・25・75分)計150分 =>  全体(330分)の45%
・翌日 3回(45・90・15分)計150分 =>  同(480分)の31%
 
SV的には標準か、やや少ない方ですが、主催者が Brellaを利用したため、参加者はこの時間を効率的・効果的な「面談」に活用できました。
 
・1面談15分で、300分をフル活用すると、最大20件の面談枠
・但し、300の裏で同時開催された任意参加ワークショップ90分を除くと14件
・実際のイベント参加者約400名、ブックされた面談は405件
 
1人平均2−3件の面談をブックした計算ですが、主催者によると今年の面談数は昨年を大きく上回り、最も多く面談した2名は、共に16件(ほぼ全スロット!)だったそうです。
 
私も6件ブックしました。
1名は当日体調不良でキャンセル、実際5名の方と「出会い」ました。もちろん面談以外でも大勢と話しましたが、この5名は今も記憶が鮮明な充実した「出会い」でした。
 
特に最大の収穫は、北欧から米国へ移住し起業・売却・再起業した経験豊富でとても魅力的な女性、Evaさんと「出会えた」ことです。彼女は5名のうちの1人でした。

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Eva Helén (https://www.linkedin.com/in/ehelen/)
CEO, Entrepreneuse, a Woman in Tech and Mentor
 
同イベントでパネラーとして登壇するEvaさん、カッコイイ!

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※イベントのHPより

 
 
Brella面談のメリットは、
立ち話では名刺をもらえず正確な名前が分からないことも多いが、面談ではLinkedin情報が分かるため後日連絡を取れる
 
・経歴が分かるため、事前に面談で何を話すか(Take・Give)準備でき、また当日は自己紹介を省略でき、とても効率的
 
・面談の場(小ラウンドテーブル)が2人用に用意されているため、初対面でもリラックスして落ち着いて話せる
 
・面談時間は15分と決まっているため、仮に相手の話が長くなりそうでも、切り上げタイミングが明快なので気が楽
 
・チャット機能で「5分遅れます!」「30分後でもいいですか?」みたいな連絡が可能なため、初対面でもお互い安心
 
 
イベントで面談する参加者の皆さん:

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※イベントのHPより

 
デメリットを強いて挙げると、イベントの2週間前頃から、自分の情報登録・相手の経歴チェック・面談調整のために時間が必要なことです。
 
今回私は初体験で仕組みがよく分からず、届いた面談リクエストに受身で応えましたが、効果に感動した今、次はもっと時間をかけ積極的にリクエストしようと思います。
 
 
世界ではホットな「イベントテック」
テクノロジーを利用してイベントをより楽しく・便利・効果的にするアプリケーション「Eventtech」は、実は今、数多くのスタートアップが新サービスを競う領域です。
 
注目スタートアップ30社リスト:
30 #Eventtech Startups To Watch This Spring

Brellaは上記30の1社ですが、他に類似サービス(競合)が沢山あるのが分かります。

実は、当日視察中だったBrellaのCOO; Jyrki さんから声かけされ、少し話しました。

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Jyrki Paananen (https://www.linkedin.com/in/jyrkipaananen/)
Chief Operating Officer at Brella
 
Jyrkiさん曰く、Brellaの利用者は間違いなく感動する(だからサービス価値には自信がある)、けどまだ認知が低いので、今は1人でも多くの人に利用してもらうよう努力してる(マーケティングが課題なんだ)、とのことでした。
 
日本に進出する予定はないの?と聞いたところ、関心はあるけれど、言葉の問題とLinkedin利用率の問題が大きいので優先順位は低い、という残念な返答でした。
 
Brellaは2015年に設立されたフィンランドの会社ですが、ターゲットユーザーのいるSVに本社を構えています。
 
それは正しいと思う上で、そもそも地の利として多様性に富むSVに比べ、多様な「出会い」のために何倍も多くの努力が必要な日本こそ、本来こういうサービスがもっと活用されるべきだと、個人的には思います。
 
というのも、日本のイベントは、登壇者・参加者とも、通常ほぼ99%日本人、メンツも似たり寄ったり・類友になりがちな印象です。本当は、初対面の人と「世界は狭いですね〜!」と言い合ったら、自分のネットワークが黄色信号だと思うべきなのに、無意識にホッとしたり、あるいは「そんなもの」諦めてたなぁ、とSVに来て多いに反省しました。
 
 
小学生時代からSV的コミュニケーションを実践
本題のサービス紹介から離れますが、同イベントで衝撃的なことがありました。それは、8歳のSamairaさんのスピーチでした。

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Inventor/Founder at Coder Bunnyz
 
彼女は5歳でコーディングの楽しさに目覚め、6歳で会社を設立したスーパーガールです!今イベントでは、大人CEOに混じり同格のキーノートスピーカーを務めました。

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※イベントのHPより

 
8歳ですよ!!!
私の8歳といえば、ピアノの発表会や小学校の学芸会でした。一方、SamairaさんはTEDスピーチさながらのSV的コミュニケーションを、プロフェッショナル女性400名の前で堂々とこなすのです。それはもう、感動を通りこして衝撃でした!
 
 
SVでは今、SV的コミュニケーションのスキルを小学生時代から鍛える子達がいるのです。この彼我の差は、数年後さらに桁違いになるのだろうな・・と、思わず空を見上げてしまいました。