コンサル女子 Hiroko のシリコンバレー目うろこ記

生粋東京っ子が実体験から思考した、"シリコンバレーと東京の差/GAP"を紹介します

スタンフォードの起業家養成コース Ignite (2):Bahareh

国民の祝日3月20日春分の日、皆さんはどう過ごされましたか? 実はこの日は、イランの人々にとり新年をお祝いするとても大事な日でした。

 
私の参加するIgnite (スタンフォードの起業家養成コース Ignite 1) のクラスメイト、バハレはイラン出身で、彼女とfacebookで繋がった今年は、イランの新年祝賀に関する記事や写真をたくさん目にし、その意味を学びました。そこで今回は、彼女とイラン文化、そしてイランと米国、シリコンバレー(SV)の関係について紹介します!
 
 
イランの女性はとにかく綺麗!
ご存知ですか? イラン女性はギリシャ彫刻のようにハッキリした目鼻立ちでとても綺麗な人が多いです。バハレも例外ではなく、とても綺麗なイラン女性です。 

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そして何より、彼女はバックグラウンドもとても素敵なのです!

・現:スタンフォード大学 神経科 研究科学者
・カナダのブリティッシュコロンビア大学で PhD取得(造血幹細胞、神経炎症、神経変性)
・オーストラリアのシドニー大学で修士号取得(分子バイオテクノロジー)
・論文・受賞多数(詳細略)
 
文系な私には理解し難い分野の科学博士、バハレ。しかしIgniteでは 「ノイズキャンセリング技術を使ったイビキ解消耳栓の開発・販売ビジネス」を発案するなど、とてもチャーミング、そして学生の多いクラスの中でとても大人な雰囲気をまとう女性です。
 
 
ペルシャのお正月「ノールーズ(nowruz)」
イランでは、天文学上の正確な春の始まりの日がお正月とされるので、日本の「春分の日」と毎年必ず同じ日になるそうです。なおペルシャ語で "now" は「新しい」"ruz" は「日」を意味します。
 
この日は、新しい/華やかな服をまとい、家族や友人の家を訪問して新年の挨拶をし、子供には「エイディー」という名のお年玉をあげるなど、お祝いの仕方も日本の元旦ととてもよく似ています。また、家族のために服や靴を揃えたり、お客様のために料理やお菓子を作ったり、数日前から準備をする人がいる点もとても似ています。

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家族とノールーズを祝うバハレ(左) ※写真掲載の許諾を頂いてます!
 
テーブル上にあるのは「ハフトスィン (Haft Sin) という飾り物で頭文字がSで始まる物を7つ飾るのが習慣ですイランの方にとり7は神聖な数字で、すべて植物でなければなりません
 1. Sieb りんご;  美しさ
 2. Sabze 緑色の草;  再生
 3. Samanoo モルト、小麦から作られたお菓子;  豊かさ
 4. Senjed グミ;  愛
 5. Seer にんにく;  清潔さ、健康
 6. Serke 酢;  喜び
 7. Sonbol ヒヤシンス; 春
 
この他、家庭によって、コーラン、鏡、コイン、金魚ばち、ロウソクなども飾ります。
 
お祝いの食事は、ハーブ・ラディッシュ・ナッツ・チーズのサラダ、魚料理、焼きハーブ飯(ライス) が定番だそうで、これも、定番が決まっているおせち料理と似ているなぁと思いました。
参考; ペルシャ新年の魅惑のイラン料理 (https://nyti.ms/2nkyKQQ)
 
 
イランとアメリカ
オバマ前大統領は2009年の就任以来、毎年、このノールーズを祝う人々に向け、ペルシャ語の翻訳付きビデオ・メッセージを発信し続けました。ブッシュ前米大統領政権下のアメリカがイランを悪の枢軸と位置づけたのに対し、敵対的な態度を反省して協調や対話を重視するその行為は、政治的意味合いを指摘され、偽善的とさえ言われました。

youtu.be 2016年 オバマ前大統領の祝賀メッセージ

でも、最後のメッセージとなったこのビデオを見ると、個人的には、彼の個人補佐官何人かがイラン系アメリカ人だったから、という理由、つまり身近な人への想いが動機として大きかった、と思わざるをえません。
 
 
イランとシリコンバレー(SV)
イランとSVは、実はとても近い存在です。1979年のイラン革命前に、イランからアメリカへの移住が静かに続きましたが、数学教育に秀でたイランで教育を受けた人々は、テクノロジー(主にコンピューター・サイエンス)スキルを梃にアメリカ社会へ浸透したため、多くの人がシリコンバレーを拠点として活躍しています。
 
・数学界のノーベル賞、フィールズ賞の初女性受賞者で現スタンフォード教授; マリアム・ミルザハニ
マリアム・ミルザハニ - Wikipedia
 
 ・イーベイ創業者; ピエール・オミダイア
ピエール・オミダイア - Wikipedia
 
・現ツイッター会長; オーミッド・ コーデスターニ
Omid Kordestani - Wikipedia
 
 
優秀な人材の獲得にしのぎを削るテクノロジー企業の本拠地、SVでは、イラン人含む人材ダイバーシティの推進が死活問題です。トランプ大統領が、イラン含む数カ国からの入国制限を唱えた際、Googleの共同創業者でモスクワ生まれのセルゲイ・ブリンが即座に反意を示したのは有名です。またFacebookの新しい取り組み #LiveTogether なども本当に素晴らしいなぁと感心します。

wapo.st

 

Ignite のクラスメイトとの関係を機に、これまで縁遠かった国の文化に触れ、そして米国やSVにおけるダイバーシティ問題を考えるに至りました。思うのは、インターネットが普及したお陰で、"何でも自分の部屋から知る/ 知った気になれる" 環境が整った一方、現実は、やっぱり身近な人との縁から深く知る・実際に経験する効果が測り知れないほど大きい、ということ。改めて、日本に40数年住み続けてしまった自戒を込めて、日本の若者にはもっと海外へ出て欲しいと切に思うのでした。